– 理事長所信 –
一般社団法人豊前青年会議所 第54代理事長
新谷 慎一
〈はじめに〉
明るい豊かな社会の実現、私が青年会議所に入会して初めて耳にした言葉でした。人々が笑顔で溢れる日常を過ごし、世の為、人の為に、夢を持って挑戦し続けられる社会環境こそが、明るい豊かな社会であると私は確信しています。故郷で、そのような思いを抱かせてくれたのは、今日まで導いてくれた大人たちがいたからであります。我々は、先人たちに感謝を示し、次世代にも同じような思いを抱かせていかなければなりません。ひとをつくり、社会をつくることが、歴史を刻む事なのだと考えます。我々もまた、明るい豊かな社会を目指し、進んでいかなければなりません。
1972年に設立された豊前青年会議所は本年、54年目を迎えます。先輩諸兄姉が築いてきた伝統を、次世代へつなぐために歩み続けていかなければなりません。現代の社会に目を向けてみると、2020年に発生した新型コロナパンデミック以降、世界はまさに大変革の時代を迎えています。情報操作、加速し続けるネット社会により、マスコミが報じないような不都合なニュースも様々なツールによって情報が容易に手に入る時代となった昨今、今まで隠していた社会の闇が露呈しているように感じます。このような混沌とした時代であるからこそ、スローガンを『黎明』として、運動を展開してまいります。
〈青年会議所会員としての自覚 〉
私たちが所属する豊前青年会議所は、20歳から40歳までの性別も職業も関係なく自発的に入会した会員の集団であります。豊築地域の『明るい豊かな社会の実現』を目指すためにも、一人ひとりが青年会議所会員として、更に自覚を持った人間でなければならないといけません。これまで先輩方が紡いで来られた53年の歴史を途切れることなく、更に強固なものにして未来に繋いでいくことが、54年目にバトンを受け取った我々の使命であると考えます。豊前青年会議所会員の現状は、経験の浅いメンバーが多く在籍をしています。まずは所属する会員の資質を向上していくためにも、日本青年会議所が推進しているJCプログラムなどの活用を通じ、JC活動においての規律を共有し、発言力や行動力を発揮できるような人財を育成します。青年会議所は、組織として活動しています。一人ひとりに役割があり、責任と覚悟を持って活動して行くなかで、青年会議所会員としての自覚が生まれてくるのだと確信しています。そのような人物を輩出できる組織となれば、この地域はより輝きを増していけると信じています。
〈共感する仲間を集う会員拡大〉
本年の豊前青年会議所は、18名でのスタートとなります。入会3年未満のメンバーが多数を占めるなか、今までと同じような活動を行っていく事に非常に危機を感じています。この自然溢れる豊かな豊築地域を対外に発信していくためにも、元気溢れる会員が必要であることは間違いありません。青年会議所は、ひとづくり、まちづくりなどの活動を通じて、未来を担う地域のリーダーを輩出し続ける素晴らしい団体であります。入会してみなければその魅力に、会員候補が感じる事が出来ない現状があります。本年度の豊前青年会議所は、全ての例会において会員拡大候補者を募り、事業においては関係団体や地域の方々も巻き込んで活動を行うことで、豊前青年会議所に少しでも共感していただける方々を増やして行きたいと思います。地域があっての活動であり、そこに住む人々にとって必要である団体であれば、自ずと共感する仲間が集う青年会議所になっていくと信じています。我々自身が、全ての例会や事業を、日常生活の中においても自信を持って対外へ発信することで、共感する仲間を集う会員拡大を実現して行きます。
〈持続可能な豊築地域の創造〉
これからの時代は、より社会全体が身のあらゆるモノをインターネットに繋ぐ流れが加速すると考えられます。交通システムや物流システムをはじめとした、様々な社会システムが情報通信技術による最適制御の対象となっていくと考えられます。その中で、自動走行車が実用化され、道路や橋等のあらゆる社会インフラがスマート化されると予想されています。経済に目を向けると、AIによるビックデータや、ロボット活用があらゆる産業に浸透し、製造業だけでなく、サービス業や農林水産業、地域経済の中核となる産業の生産性が向上して行くと考えられます。豊築地域は、海と山があり、自然溢れる豊かな町です。空港や駅までのアクセスが良く、災害の少ない地域であるにも関わらず、人口減少、少子高齢化、それに伴う耕作放棄地や空き家の増加が懸念の一つとしてあります。昨今、都会での仕事ではなく、農業に興味を持つ若者が増えてきています。豊築地域の自然溢れる魅力を活かして、農林水産業を取り組みやすい町として対外にPRしていくことで、第一次産業を担う若者を都会から田舎へ呼び込めると考えています。豊築地域へ来ていただいた移住者へ、豊築地域の魅力を存分に味わってもらう好循環を作り出すことが出来れば、今後の明るい豊かな豊築地域を創造できると考えております。豊築地域が持続可能な地域であり続けるために、その一歩を踏み出してまいります。
〈政治への関心〉
『政治に無関心でいられても、無関係ではいれられない』このような言葉があります。政治への無知は、いずれ大切な人や自身を蝕んでいってしまう事を、我々は知らなければなりません。世の中の選挙権年齢は18歳からとなっていますが、依然として若年層の政治への関心は低い状況にあります。すべての年代が住みよい社会を実現するためには、どの世代の声もバランスよく政治に反映されるべきであると考えます。若者の政治離れが進む原因として、『政治がわからない』『自分一人が投票しても変わらない』などが主に考えられます。地域社会の未来を見据え、若者の意識改革のためにも、政治や地域社会と関わることができる実体験が必要です。本年度は選挙の機会がある重要な年であります。より良い未来を次世代に残していくためにも、地域住民が直接政治に関われる機会を創出し、政治への関心を高めて行きます。
〈郷土愛を育む青少年育成〉
豊前青年会議所が創立50周年に立ち上げた青少年事業である、豊築少年団も3期生を募り、本年も活動を行って参ります。20代、30代の私達の子ども時代とは違い、現在の子ども達を取り巻く環境は移り変わりをみせています。インターネットの進化により、この地域以外のコミュニティや、人との繋がりを容易に持てる時代となり、便利になる反面、子どもたちの郷土に対する意識が薄くなっていく事を危惧しています。未来を担う青少年達には、この地域にあり、他の地域には無いもの感じてもらうような体験を通すことにより、たとえこの地域を出て活動したとしても、またこの地に戻ってきたくなるような郷土愛を持った子ども達を育成することが重要であると考えます。豊前青年会議所メンバーとしても、柔軟な発想力と当事者意識を持って、青少年育成事業に取り組んでいかなければなりません。子ども達がこの地域に住み続けたい、またこの地域に戻ってきたいと思えるような、青少年育成事業を展開し、この豊築地域を好きでいてくれる青少年を増やしていく事で、より永続的にこの豊築地域は反映していけると確信しています。
〈結びに〉
私がこれまで、青年会議所運動を継続できたのは、多くの先輩、そして仲間がいたからであります。数多くの叱咤、激励をいただき、私はいまこの場に立っております。あらゆる挑戦を見せていただいた先輩の姿を、今度は自分たちが筆頭になり、次の世代へ同じような姿を見せていかなければなりません。その連鎖の先に地域は明るく在り続けるのだと確信しています。それぞれに環境も違い、得意不得意があるなか、利害関係なく同じ目的に突き進む、この青年会議所という素晴らしい団体に属していることに私は誇りをもっています。誰もが誇りをもって所属できる団体に向けて、それぞれの夢を諦めずに語ることができる場を創りたい。それが無謀だとしても、挑戦し続けることで見える世界があるはずです。あらゆる変化が起きているいまだからこそ、青年会議所が必要だと私は強く感じています。【黎明】この、激動する社会をチャンスと捉えて行動し、夢溢れる時代へと導いていく事をお約束し、今年1年間邁進してまいります。
基本方針
【青年会議所会員としての自覚】
【共感する仲間を集う会員拡大】
【持続可能な豊築地域の創造】
【政治への関心】
【郷土愛を育む青少年育成】