理事長所信
一般社団法人豊前青年会議所 第53代理事長
戸成祥平
〈はじめに〉
1972年、日本で504番目のLOMとして誕生した豊前青年会議所は、明るい豊かな社会の実現に向け、その時代に沿った事業や運動を展開してまいりました。諸先輩方が地域の課題に対し力強く活動を行い、豊前青年会議所としての歴史を刻み、伝統を継承してきました。私たちも、この伝統を未来に繋ぐために歩み続けていかなければなりません。しかし、目まぐるしく変化する社会情勢や急速に進化を遂げるテクノロジーに対し、私たちはどのように対応すべきでしょうか。新型コロナウイルス感染症も2023年の5月には5類感染症となり、人々の普段の生活スタイルが徐々に戻ってきてまいりました。人類に大きな影響を与えた新型コロナウイルス感染症は、私たちに人と人との繋がりの重要性を改めて示したと私は感じています。
その反面、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、その他にも世界各地で内部紛争等が今もなお継続して起きています。様々な社会情勢に目を背けることなく、世界の平和の為になにができるのか、そしてこの機会に改めて、私たちが住む日本の平和と安全について考えるべきだと感じます。なぜならば、世界で起きている事は、日本でも起きる可能性があるからです。海洋国家の日本は、自衛隊をはじめ海上保安庁等、様々な組織が治安維持の為に常に任務を遂行しています。ただ単に平和を語るのではなく、歴史を学び、マスメディアの情報操作やプロパガンダに惑わされず、私たち国民の一人ひとりが我が国の平和について考えることが、将来の安全な社会の実現に繋がると考えます。
また、私たちが50周年に掲げた中期ビジョン「子供たちが主体性をもって、夢や未来を描ける青少年育成の仕組みづくり」、「あらゆるカウンターパートと連携し、地域住民を巻き込んだダイバーシティ溢れる持続可能なまちの実現に向けた仕組みづくり」、そして「仲間とともに、当たり前を実践し、個人の成長と自社の成長を追い続け、地域を牽引できる人材となり、組織となる」この3つのビジョンに対し、改めて理念を再認識し活動することで、私たちが住み暮らす豊築地域の課題の解決と、魅力溢れるまちづくりに繋がると考えます。今年1年間、高い志を持って目標を達成すべく、5つの方針を掲げ邁進してまいります。
〈活力溢れる豊築地域の構築 〉
近年は新型コロナウイルス感染症により人々のライフスタイルも多様化してきました。様々なツールが発達し、特にリモートでのワークスタイルも世間では定着をしてきました。行動制限もなくなり、各地域ではお祭りなどのイベントも再開し、まちが賑やかさをとりもどしつつあります。しかし、新型コロナウイルス感染症による制限を受けた約3年間の影響は大きく、人と人との繋がりが未だに希薄になった状態が続いていると感じます。かつての豊築地域の活力を取り戻す為には、まずは地域の課題である、人口の減少、特に若者が田舎から都会に流出している現状は地域として深刻な問題です。しかし、この課題を逆手に取り都会から田舎への人口の流れを作れば、この課題は解決できると確信しています。その為にはまず、豊築地域の事を知っていただくことが重要です。そして、多くの人に豊築地域の魅力を伝えるためには、まずは地域の団結力が必要だと感じます。志同じくして、地域の事を考え、活動する人々や各種団体、そして行政との繋がりが今こそ必要だと考えます。豊築地域の魅力を多くの人に伝える為に、まずは各種団体や行政と互いの事を理解し、情報共有を継続的に行うとともに、同じ目標向かって取り組む環境づくりが重要だと思います。まずは私たちの地域が一致団結し、力強く運動を展開し多くの人に共感していただき、地域全体に波及していくことが全国の人々に豊築地域の魅力を届けるための第一歩だと思います。私たち豊前青年会議所は、あらゆるカウンターパートと連携し、共に運動を展開するための基盤を構築し、今まで以上に活力溢れる豊築地域を目指して活動を行っていきます。
〈主体性溢れる未来のリーダー育成〉
新型コロナウイルス感染症の影響で、子どもたちの教育環境も大きく変わりました。経験や挑戦する機会、そして人との繋がりが減少したと感じます。私たちが2021年度に立ち上げた豊築少年団は、「子どもたちが主体性を持って夢や未来を描ける青少年育成の仕組みづくり」をビジョンに掲げ、今年度も引き続き未来のリーダーの育成に取り組んでいきます。子どもたちには、様々な経験をして仲間とともに成長できる機会が必要だと考えます。この豊築地域で、普段では体験できない事に挑戦をして仲間とともに乗り越え、達成感と人との繋がりの大切さを感じ、次世代を担う青年へと成長する機会を提供いたします。困難を乗り越えた子どもたちの成長は、主体性溢れた将来のリーダーとして地域に貢献し、未来の明るい豊かなまちづくりに繋がると思います。
〈魅力ある人材の育成と組織力の向上〉
私たちは、地域を牽引する団体としてメンバー一人ひとりがリーダーとしての自覚を持ち、成長していかなければいけません。日々の活動だけでなく、青年会議所では様々な成長の機会があります。メンバーにはLOMでの活動はもちろん、福岡ブロックなどの出向や各種大会に積極的に参加し、直接触れて様々な経験をする事で自己の成長に繋がると考えます。特に出向に関しては、他LOMのメンバーと触れ合う機会が多く、交流することで個人の成長だけでなく、今後のJC活動や社業などにも繋がり、とてもいい機会だと思います。また、様々な活動を行うことで自己の経験となり、その成長が個人だけでなく、LOMの成長に繋がると考えます。しかし、成長できるチャンスを掴む為には参加しなければ意味がありません。メンバーが一歩踏み込んだチャレンジを実行できる環境づくりを組織として構築していくことが、組織力の向上と団結力の強化に繋がると考えます。私たちは、活動するなかで人との出会いを大切にし、青年として誠意をもって何事にも取り組む組織として運動を展開していきます。私たちは、様々な事に挑戦し活動することで地域社会に貢献できるリーダーとして成長し、地域の発展に寄与いたします。
〈持続可能な組織に向けた会員拡大〉
青年会議所は、全国的に会員数の減少が問題となっています。私たちの所属する豊前青年会議所においても例外ではなく、会員拡大は大きな課題となっています。メンバーの減少は組織の弱体化と発信力の低下だけでなく、私たちの掲げる「明るい豊かなまちづくり」に向けての運動もできなくなります。持続可能な組織として運動を継続するためには、メンバー全員で会員拡大に対し危機感を持ち、組織全体で取り組んでいかなければならない課題です。
〈安全安心なまちづくりの構築〉
ここ近年の日本は、数多くの災害に見舞われました。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、最近では、線状降水帯の発生や台風による記録的な大雨、それに伴う河川の氾濫や土砂災害など私たちの命を脅かす自然災害が猛威を振るっています。様々な災害を経験し、教訓として私たちはこれからも想定外の災害に対応していかなければなりません。そのためにはまず、一人ひとりが防災意識を持つことが重要です。防災意識を促すためには防災に興味を持っていただき、また災害に対して地域の人々が危機感を持たなければなりません。その為には知識の普及だけでなく、災害の恐ろしさを伝える事も必要だと考えます。また災害時には、青年会議所の組織力を発揮する場でもあります。昨年の大雨災害の際は、福岡県下の青年会議所が防災ネットワークを駆使し、朝倉地区などに早い段階で必要な物資の運搬やメンバーを集いボランティア活動に参加し、災害に強い組織としての実績を積んでいます。しかし、私たちの生活を脅かすものは災害だけではありません。特に交通事故や犯罪などは、いつどこで起こるかわかりません。私たちは、あらゆる各種団体や行政と、防災知識のアップデートだけでなく、様々な犯罪や交通事故など身近な危険を未然に防ぐべく、そして安全安心な地域づくりを目指し取り組んでいきます。私たちは、備えておけば助かる命を救うべく、そして私たちが住み暮らす豊築地域の人たちの笑顔を守るために、力強く活動を展開してまいります。
〈結びに〉
豊前青年会議所は今年、50周年に掲げた5年計画の中期ビジョンに対し3年目を迎えます。改めて理念を再認識し今年一年、組織の向かうべき方向を示し活動を行っていきます。2026年に思い描いたビジョンを達成すべく、自らが掲げるミッションに挑戦し、力強く運動を展開してまいります。その中で私たちは、様々な体験や人々と出会うことで、個人としての成長はもちろん、組織力の向上や団結力が芽生え、その力が地域の「明るい豊かなまちづくり」に寄与できると確信しています。また、その組織を継続して活動していくには同じ志を持った仲間が必要です。私たちの活動を様々な形で発信し、青年会議所を知っていただき共感を得て会員拡大を行い、勢いのある持続可能な組織作りは、私たちの今年1年の目標でもあります。最後に、私たちは豊築地域1市3町全土を走り回り魅力を発掘するだけでなく、活動の中で出会った地域の人々との出会いを大切にしていきます。私たちの愛するまちの為に、高い志をもって活動を展開し、情熱をもって未来の明るい豊かな社会の実現を目指し今年1年間、邁進してまいります。
基本方針
【活力溢れる豊築地域の構築】
【主体性溢れるリーダーの育成】
【魅力ある人材の育成と組織力の向上】
【持続可能な組織に向けた会員拡大】
【安全安心なまちづくりの構築】